「ビブリア古書堂の事件手帖」という文庫本のシリーズがあります。
今は、7巻目まで出ているようです。
数週間ほど前、買って読んだ単行本が次から次にハズレだったんです。
人気作家さんが書いた本ですので、私の趣味に合ってなかったというだけなんでしょうけどね。
そんでもって、いつものようにイヨンの大きな本屋さんへ。
すると、目を引く本がずらりと並んでいるではないですか。
可愛いイラストが本の表紙に描かれています。
少女漫画の雑誌によくあるような美しい絵です。
オジサンがその本を取るには、勇気がいりそうです。
それでも、最近は買った本がハズレ続きでしたので、ダメモトということで一冊だけ買いました。
それも、中古本。
新刊は会計正面の台に平済みされていたんですが、数年前の本だったので中古のコーナーに行けばあるかもしれないと思って一応見てみました。
やっぱりありました。
新刊で買ったら550円するものでも、中古本で買えば200円です。
ダメモトで買うんですから、まあ我慢できる範囲でしょう。
ところが、読んでビックリ。
表紙は軽いものですが、中身は抜群な小説でした。
7巻まで続いた訳が理解できるというものです。
一巻目の要旨(本の帯)は次の通りです。
【本の帯】
就職浪人中の五浦大輔は、祖母の遺品の夏目漱石全集に書かれたサインの鑑定のために、ビブリア古書堂を訪れる。
なりゆきで、入院中の店主の元を訪ねると、そこには高校のころ偶然見かけた美しい黒髪の女性・篠川栞子がいた。
人見知りだが古書の知識は並大抵ではない栞子は、夏目漱石全集にまつわる謎を読み解き、大輔に語り始めた…。
これは、栞子と奇妙な客人達が織り成す、“古書と秘密”の物語であるーー。
【読後感想文】
オムニバスな短編集なんですが、短編を貫く一筋の謎が各編に隠れています。
各短編では、ビブリア古書堂に持ち込まれた名作の謎を解いていきます。
本を持って来た人にまつわる謎解きです。
決して血生臭い殺人事件があるわけではありません。
優しい人たちが交差する人情話ばかりです。
いくつかの人情話を説いていった最後の短編で大きな人情話が解き明かされます。
ある意味、ダラ〜っとした日常を描いただけのようにも思えます。
北鎌倉の風景やそこに住む人々が生き生きと描かれています。
どちらかというと、みんな暇人ばかりなようです。
この本の楽しさは、「カフーを待ちわびて」とか「食堂かたつむり」「つるかめ助産院」「神去なあなあ日常」などが好きな方には分かってもらえるでしょうか。
ずっと同じシリーズを読み続けたら飽きが来てしまいますので、途中に別の本を入れるようにしています。
今、3巻目に入っているんですが、ちょっと前には恩田陸の「終わりなき夜に生まれつく」を読んでいました。
さて3巻目。
今から、北鎌倉のビブリア古書堂にお邪魔することにいたしましょう。