2017年09月14日

祈りの幕が下りる時 東野圭吾

【本の帯】

悲劇なんかじゃない。

これが私の人生。

加賀恭一郎は、なぜ「新参者」になったのかーーー。

明治座に幼馴染みの演出家を訪ねた女性が遺体で発見された。

捜査を担当する松宮は近くで発見された焼死体との関連を疑い、その遺品に日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれていることに加賀恭一郎は激しく動揺する。

それは孤独死した彼の母に繋がっていた。

シリーズ最大の謎が決着する。

吉川英治文学賞受賞作。

【読書後記】

まさに、フューマンストーリー。

そして、どうしようもなく悲しくなるラストでした。


本作品は、福祉施設に勤める中年女性が昔なじみを東京に訪ねた時から始まります。

訪ねたことによって発生する殺人事件なんです。


この流れは、古くは「飢餓海峡」や「砂の器」「人間の証明」を思い起こすことができます。

「天河伝説殺人事件」というのもありましたね。

訪問した者の思いと訪問された者の思いにギャップがあり、これが連続殺人事件の引き金になります。


そういえば、「新参者」や「麒麟の翼」も思いのズレから殺人事件が起こるんでしたよね。

全てが明らかになった時に、どうしようもなく悲しくなるストーリーです。


殺人事件は、主人公の母親が残したメモに繋がりがありました。

10年も前に死んだ母親でした。

しかも、息子を捨てて出て行った母親は長年の一人暮らしの末の孤独死でした。

何故、息子を捨てたのか。

現代の殺人事件を解き明かすと、母親の失踪と孤独死の謎が解けそうです。


さらに、何故主人公は警視庁捜査一課を離れて、日本橋署に転勤して新参者になったのか。

その謎も追って、30年前まで遡る刑事たち。


1985年の『放課後』、1999年の『秘密』、2006年の『容疑者χの献身』、2012年の『ナミヤ雑貨店の奇蹟』、2013年の『夢幻花』に、勝るとも劣らない納得のヒューマンストーリーです。

文句なしの☆5つ。



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2017年09月01日

深淵の覇者 数多久遠(アマタクオン)作

【本の帯】

尖閣諸島に中国駆逐艦「石家荘」が接近、日本政府は海上自衛隊護衛艦「あきづき」を派遣した。

中国国内の政治情勢悪化にともない、両国の情報戦が激化している矢先のことだった。

一方、新型ソナー兵器開発に携わる海自技官木村美奏乃は、五年前に潜水艦事故で亡くなった婚約者の死の謎を追っていた。

やがて、「あきづき」が魚釣島近海で消息を絶ち、緊迫する東シナ海へ、わが国初の女性首相御厨は、新型ソナー兵器を搭載した潜水艦「こくりゅう」投入を決定。

木村も乗艦することになったが…。

緊迫する日中関係はどうなるのか。

婚約者の命を奪った事故の真相とは?沖縄トラフの海中を舞台に、最先端技術と頭脳を駆使した熾烈な戦いを圧倒的迫力で描いたミリタリー・サスペンスの傑作!


【読書後記】

自衛隊のステルス潜水艦と中国の高速潜水艦の息詰まる海戦です。


潜水艦ものの映画で思い出すのは、「眼下の敵」、「レッド・オクトーバーを追え」なんかが有名ですね。

日本にも素晴らしい作品がありました。

かわぐちかいじ原作の「沈黙の艦隊」(アニメ)や福井晴敏の「終戦のローレライ」(小説)が圧巻でした。

潜水艦を巧みに操る艦長の姿。

戦略の見事さに度肝を抜かれたことを思い出します。


本作品も、やはり戦略の見事さが光っています。

潜水艦の性能を熟知しているからこそできる攻撃の在り方。

敵の潜水艦の艦長の思惑。

日本と中国の政治バランス。

海面下の前線で直接対峙する潜水艦乗組員の思い。

海自と空自の連携による領海権の確保。

自衛隊が抱えている問題点。

等々を余すところなく描き切っています。


一気読みしてしまう名作のセオリーも生きています。

「はじめちょろちょろ、なかぱっぱ」です。

一見なんでもないストーリーが続く導入。

小さな出来事が繋がり、謎が解き明かされる中盤。

ラストにみなぎる緊張感とスピード感。


リアル感いっぱいの筆力に圧倒されました。




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2017年08月19日

土漠の花 ソマリアの自衛隊脱出作戦 

作者は月村了衛。

【本の帯】

ソマリアの国境付近で活動する陸上自衛隊第一空挺団の精鋭達。

そこに命を狙われている女性が駆け込んだ時、自衛官達の命を賭けた戦闘が始まった。

一人の女性を守ることは自分達の誇りを取り戻すことでもあった。

極限状況での男達の確執と友情。

次々と試練が降りかかる中、生きて帰ることはできるか? 

一気読み必至の日本推理作家協会賞受賞作!


【読書後記】

「一気読み必至」という言葉につられて、買ってしまいました。

結果は、まさに一気読み。

久々の満足を感じさせてくれました。

第一級のノンストップアクションです。


アメリカ映画に何度か登場した設定ではあります。

大軍に包囲された小隊が、決死の脱出を試みる・・・というストーリーです。

その絶体絶命の状況に日本の自衛隊が遭遇してしまったんです。

交戦規程等々の難しい問題が生じます。

しかし、交戦規定も外交交渉も目の前で失われていく命の前では、何の助けにもなってはくれません。

生と死が隣り合わせに存在する前線の自衛隊。

今の日本の状況や自衛隊の在り方等への問題提起があるように感じます。



さて、この小隊。

隊員のそれぞれに生活があり家族があります。

過去もあれば、悩みもあります。

そんな人間らしい姿があちこちに描かれています。


そして、陸上自衛隊第一空挺団の精鋭達ですから、ずば抜けた能力を持っています。

射撃の名手、爆発物の専門家、元自動車修理工等々。

それらの能力が小隊の脱出に、危機一髪のシーンに発揮されます。


一人減り二人減りしながら、生き残った隊員たち。

ボロボロになりながらも、散っていった仲間たちの為にも生き残ることを決意します。


物語の全編にソマリアの現状や自然が、どうしようもなく悲しく描かれています。

大国のエゴをもとに起こされる部族間の紛争。

厳しい自然との共生。虫けらのように命を奪われていく人々。
ここにも、作者の問題提起を感じずにはいられません。


しかし、堅物の物語なんかで日本推理作家協会賞は受賞できません。

第一級のアクション巨編であり、冒険小説と言っていいでしょう。

息つく暇もなく一気読みしてしまいました。


久々の☆5つ。 



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2017年08月10日

暗闇のマリア 真保裕一

【本の帯】

相次ぐ自殺の謎

警察庁に作られた特命捜査班

夫は何をしていたのか……

真相はどこにある? 

一気読み間違いなしのノンストップ・エンターテインメント

===
夫は自殺ではない、殺されたのだ。

警察から連絡を受けて、富川真佐子は呆然となる。自殺の状況は完璧にそろっていた。

でも、絶対に違う。夫は死を選べるような人ではない。

この自殺の背後には、きっと何かあるーー。真相を探る孤独な闘いが始まった。

警察庁では、真佐子から相談を受けた元刑事の井岡が、内密に過去の事件を調査していく。

次々と明らかになる不可解な自殺……。

もし、自殺大国と言われる日本で、多くの「偽装された死」があるとしたら?

ついに二人は謎の鍵を握る男の存在にたどりつく。が、彼はすでに異国の地で死んでいた!?

闇にうごめく暗殺者は、なぜ生まれたのか?

国際的スケールで展開する極上エンターテインメント!

【読書後記】

作者に文句なし。

決して期待を裏切らない人ですよね。

それ以上に、本の帯にある「一気読み間違いなし」というキャッチコピーにもつかまってしまいました。

ストーリーは、何気ない日常から徐々に舞台が広がって行きます。

緊迫感やスピード感も読み進める内にどんどん高まってきます。

刑事と殺された官僚の妻が、それぞれに過去を探っていきます。

そして、それぞれにある男に到達します。

それからのスピード感は超特急です。

まさに、一気読みというところでしょうか。

「砂の器」や「人間の証明」を思い出しました。




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2017年08月08日

居酒屋 ぼったくり  秋川滝美

 【本の帯】

東京下町にひっそりとある、居酒屋「ぼったくり」。

名に似合わずお得なその店には、旨い酒と美味しい料理、そして今時珍しい義理人情があるー旨いものと人々のふれあいを描いた短編連作小説。

待望の書籍化!

全国の銘酒情報、簡単なつまみの作り方も満載!

【読後後記】

シリーズ化されているので、多くの人の共感を呼んでいる作品と思われます。

作風は、「おいしんぼ」とか「深夜食堂」といったところでしょうか。

「ぼったくり」という屋号は、「普通の料理を出して人様からお金を頂くんだから、ぼったくりも同然だ」と言った初代店主の名言から来ています。

今はその長女と次女が跡を継いで、常連客とのほのぼのとした触れ合いを生きがいにしている・・・といった物語です。

癒しの居酒屋に迷い込む小さな小さな問題ごとを、店主の機転と巧みな料理で解決しているというところが、やっぱり深夜食堂に似ています。

小料理の簡単レシピが毎回登場しますので、料理好きの人にはこの上ない作品だろうと思います。

何巻も続いていますので、涼しいクーラーの中でゆっくり読み続けてはいかがでしょう。




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2017年07月29日

博多豚骨ラーメンズ 博多は殺し屋が住む町

作者は、木崎ちあき(キサキチアキ)。

【本の帯】

福岡は一見平和な町だが、裏では犯罪が蔓延っている。

今や殺し屋業の激戦区で、殺し屋専門の殺し屋がいるという都市伝説まであった。

福岡市長のお抱え殺し屋、崖っぷちの新人社員、博多を愛する私立探偵、天才ハッカーの情報屋、美しすぎる復讐屋、闇組織に囚われた殺し屋。

そんなアクの強い彼らが巻き込まれ、縺れ合い紡がれていく市長選。

その背後に潜む政治的な対立と黒い陰謀が蠢く事件の真相とはー。

そして悪行が過ぎた時、『殺し屋殺し』は現れるー。

第20回電撃小説大賞大賞受賞作。

【読後後記】

最近、胸がワクワクするくらいにおもしろい本に出合っていません。

ちょいと前は、何々大賞という文学賞を当てにしながら選んでいました。

しばらくはこの選択方法でよかったんですが、そのうち飽きました。

そんでもって、最近は自分がこれまでに選択したことがない作者、ジャンル、表紙カバーの作品を購入するようにしていました。

シリーズ化されている作品も、多くの人の共感を得ているんだから期待できます。

しかし、今のところ私の趣味にピッタリの作品に出合うことができていません。

今回も、新しいの条件にぴったりの作品なんですが・・・。


博多の街には殺し屋がうようよ居るという設定です。

この設定は、案外奇想天外でおもしろいと思いました。

しかし、登場人物が多すぎるんです。

おじちゃんには覚えきれません。

誰が主人公で、誰を中心に話が出来上がっているかがどこまで読んでも分かりませんでした。

暴力的な表現も多いし、簡単に人が死んでいくのも、ちょっとねえ・・・・。

この本もシリーズ第一巻での途中下車かな?




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2017年07月24日

警視庁公安J 鈴峯紅也

【本の帯】

幼少時に海外で行方不明となった経緯から、非常時における冷静さ残酷さ、常人離れした危機回避能力を得た小日向純也。

現在、そんな彼は警察庁のキャリアとしての道を歩んでいた。

しかし、ある日、純也が思いを寄せる木内夕佳が何者かに殺されてしまう。

背後にちらつくのは新興宗教〈天敬会〉と女性斡旋業〈カフェ〉。

真相を探ろうと奔走する純也だったが、事態は思わぬ方向へと展開し……。

警察小説のニューヒーロー誕生。

【読書後記】

主人公のプロフィールが奇想天外です。

現在の内閣総理大臣の息子で、テロリストに誘拐された後は傭兵として青春を送った人物。

その後救い出されて、東大法学部を卒業後、警視庁のキャリアとして正義を貫いています。

大金持ちの一族なので、捜査費用は自分持ち。

公安組織の中に自分用の分室を持ち、公安部長さえも動かせます。

その上、中近東風の彫りの深い顔立ちをしているので女性にもてます。

非の打ち所のない主人公と地味〜な公安刑事3人が悪に挑むというストーリーです。


今回の敵は新興宗教。

その過去を洗う内に、北の工作員が姿を表すといった具合です。

ここまで荒唐無稽になったら、派手なドンパチを誰でも期待しますよね。

それが、ストーリー自体は落ち着いたものです。

残念です。

作者はアクションがあまり好きではないか、書けないのか?

三部作なんですが、この一部で終了することにします。

あくまでも浅学な上に、わがままなオヤジの意見です。




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2017年07月15日

槐 エンジュ  月村了衛

【本の帯】

水楢中学校野外活動部の弓原公一らが合宿で訪れた湖畔のキャンプ場で、惨劇は起こった。

隠された大金を捜す半グレ集団・関帝連合がキャンプ場を封鎖し、宿泊客を虐殺し始めたのだ。

囚われの身となった公一たち。

だが絶体絶命の状況下、突然何者かが凶悪集団に反撃を開始した!

謎の闘士と中学生たちが決死の脱出に挑む。

今最も旬な著者による戦慄と興奮の物語。


【読書後記】

先ず、この漢字の題名?

「えんじゅ」と読むんだそうです。

道路や公園に植えられていることの多い樹木で、丈夫で大気汚染にも強い植物なんだそうです。

太い幹を伸ばして大きく生長し、葉っぱを茂らせます。

花や蕾には薬効成分が含まれ、生薬としても利用されてきました。

主人公というか、なんというか?

登場する女性戦士の名前です。

さて、本の帯には「突然何者かが凶悪集団に反撃を開始した!」と書いていますが、キャンプ場での惨劇が始まってすぐに、この戦士は登場します。

いきなりキャンプ場でドンパチが始まるのにはびっくりしました。

まるで、ストーリー性のないアメリカのアクション映画みたいです。


そう。

この小説にストーリー性を求めてはいけないんです。

とにかく派手にドンパチやるのを楽しめばいいんです。


作者のプロフィール欄には数々の文学賞受賞歴があって、「そして誰もいなくなった」的なストーリーを期待したんですが、それは忘れましょう。

アクション映画を観るような感覚で、一気読みをすることにしましょう。

それなりに楽しめますよ。


追伸

上記の感想は間違っているかもしれません。

なにしろ中盤まで読んだ感想だったんです。

後半は、巧みな心情描写や情景描写がふんだんに登場します。

ストーリー展開も読者を飽きさせません。

流石は、吉川英治大賞新人賞、日本SF大賞、日本推理作家協会賞や大藪春彦賞をゲットし作家さんです。






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2017年07月13日

いい加減な夜食 秋川滝美

【本の帯】

ハウスクリーニングのバイトをして学費を稼ぐ大学生、谷本佳乃。

ある日彼女が、とある豪邸の厨房を清掃していたところ、その屋敷の使用人頭が困り顔でやってきた。

聞けば、主が急に帰ってきて、夜食を所望しているという。

料理人もとっくに帰った深夜の出来事。

軽い気持ちで夜食づくりを引き受けた佳乃が出したのは、賞味期限切れの食材で作り上げた、いい加減なリゾットだった。

れから一ヶ月後。突然その家の主に呼び出されたかと思うと、佳乃は強引に雇用契約を結ばされてしまい…


【読書後記】

結論から言うと、じいちゃんが読む本ではありませんでした。

1巻から2、3、4、5巻・・と続いているので、「おもしろいからこそ続くんだ」と推測したんです。

ハズレでした。

漫画みたいなストーリーでした。

実際にアニメ化されているんですけどね。

若者向けのストーリーでした。

とんとん拍子に話は進むし、ちょっと色っぽいし・・・。


最後は飛ばし読みで、一気のゴールへ。


最近は、本選びのハズレが続いています。

あくまでもじいちゃんの感想です。




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2017年07月10日

にじいろガーデン 小川 糸

【本の帯】

夫との関係に悩む泉は、ある日女子高生の飛び込み自殺を止める。

事情を聞いているはずが、知らず知らずのうちに自らの身の上話をしていた泉。

やがて二人は魅かれ合い、お互いをかけがえのない存在だと知る。

家族として共に歩むことを決意し、理想の地を求めて山里へ移り住んだタカシマ家は、母二人、子二人での生活を始めてー。

たくさんの喜びを紡いだ一家の軌跡を描く、愛と再生の感動長編。


【読書後記】

「つるかめ助産院」や「食堂かたつむり」の作者ということで、期待して買いました。

さわやかな感動で涙さえ感じた作品だったんです。


今回の結果はというと・・・「もう一歩及ばず」というところでしょうか。

今回の作品も、心に傷を負った女性が新天地で力強く生きていく姿が描かれています。

周りの自然と温かな人々の姿が、ゆっくりとしたストーリーで流れていく作品でした。

その点で言えば、「つるかめ助産院」や「食堂かたつむり」と同じようなストーリー仕立てと言えます。

しかし、ちょっと違うのが15年ほどの歳月を描いているという点です。

説明的な文章で数年の時がいっぺんに経ってしまい、情緒に欠けるように感じた時が何度かありました。

また、主人公たちの心がいっぺんに癒されて、その後はとんとん拍子に話が進んでいくという点も、もう一歩感動のストーリーとまでとはいきませんでした。

底抜けなハッピーエンドでないという点に関しても、私の好みではないように思いました。


今回は辛口の評になってしまって、大変申し訳ありませんでした。

この感想は、あくまでも私個人の好みの問題だろうと思います。




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2017年07月03日

「居酒屋 ふじ」という物語の世界

作者は栗山圭介。

【本の帯】

役者志望の「僕」は、その日もオーディションに落ち、ふらりと小さな居酒屋に入った。

壁いっぱいに貼られたサイン色紙に、有名選手の記念バット…。

目黒区蛇崩。

著名人が通い続ける実在の店の、伝説のおやじ。

彼の八十余年の強烈な生き様は、今に迷う人たちへ、勇気と希望を与えてくれる。

傑作長編小説。

【読書後記】

居酒屋のおやじと売れない役者の卵が織り成す人情物語。

深夜食堂みたいな雰囲気です。

山あり谷ありの壮絶な人生を送ってきたおやじの昔話が大半を占めています。

その話が実に奇想天外、空前絶後、波乱万丈というところです。

実在した人物の話のようですので、このおやじに関わった周りの人は大変だったことでしょう。


おやじの昔話を聞いてやるのが売れない役者の卵。

時には驚いたり、時には感心したり。

喧嘩別れすることだってあります。

その聞き手の表情がコロコロと変化するのもおもしろいです。



普通の文庫本の2倍ほどもある長編で、しかも昔話ばかりがダラダラと続くので途中で投げ出したくなりました。

迷いながら後半に突入した頃に、昔捨てた娘が登場します。
泣けますよ。m

親孝行の娘との別れのシーン。

ついつい涙がポロリ。


結局、最後まで読み進めてしまいした。

なんか変な魅力を持った作品です。

TVドラマ化されるという噂ですので、ぜひとも見てみたいものです。



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2017年06月21日

アンカー 今野敏

いつもの通り、困った時の今野敏。

本屋を歩いていてめぼしい本が見つからなかった時の選択方法です。

「彼の作品なら間違いなく面白いはずだ」という、まあ私のジンクスみたいなものです。

【本の帯】

視聴率が低迷し始めたTBNの報道番組『ニュースイレブン』。

そのテコ入れとして、栃本という男が関西の系列局から異動してきた。

視聴者受けを重視する関西人の栃本と、報道の理念にこだわるデスクの鳩村は早速衝突し、現場には不穏な空気が漂い始める。

一方、これまで幾つものスクープをものにしてきた番組の名物記者・布施は、なぜか十年前に町田で起きた大学生刺殺の未解決事件に関心を寄せていた。

被害者の両親が、犯人逮捕の手がかりを求めて今もなお駅前でのビラ配りを続けているのが記憶に残ったという。

この件の継続捜査を、警視庁特別捜査対策室のベテラン刑事・黒田が担当することを知った布施は、いつものように黒田へ接触を図る。布施と黒田がまたしても動き始めるが、真相解明に至る糸口はあまりに乏しく、謎だけが深まって行く。

テレビ報道の本質とは?

事件の奥に潜む意外な真相とは?大人気スクープシリーズ第4弾?

【読書後記】

さて、このシリーズの主人公はTVのニュース番組を陰で支える取材記者という設定です。

昔、「事件記者」とか「ある勇気の記録」とか、警察記者クラブが舞台になったTVドラマがありましたが、今回はニュース番組。

登場人物の設定からすると、おそらくニュースステーションを意識したんでしょう。

時には、新聞以上にスピードが求められることもあるし、雑誌のように深く追求することが求められることもある現場です。


10年前の未解決事件を追って過去を捜査する二人の刑事。

ベテラン刑事と若手刑事です。

「砂の器」や「人間の証明」「飢餓海峡」などと設定が似ています。

行きずりの殺人事件と処理された事案は、過去に起こった3つの殺傷事件と似ています。

その後、刑事の捜査によって連続した事件へと発展していきます。

少しずつ犯人像が浮かび上がってきます。

こんな展開に胸がわくわくしてきます。


推理する場は、ニュース番組のミーティングルーム。

記者が持ち込んだ取材をもとに、番組スタッフが推理します。

番組ネタとして、あるいはスクープ記事として使えるか?

4つの事件に関連性はあるのか?

同じような設定(持ち込まれた事実だけを密室の机上で推理する)でいうと、アメリカ映画に「十二人の怒れる男」というのがあります。

日本では三谷幸喜が「十二人の優しい日本人」という題でリメイクしました。

密室での推理小説という点で言えば、アガサ・クリスティの作品もそうですよね。


今は懐かしいTVの90分劇場のようです。

案外軽い作品ですので一気読みが出来そうです。

速読が得意な人なら、新幹線で博多から東京までの間に読んでしまうんじゃあないでしょうか。





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2017年06月18日

捜査一課殺人犯 イルマ シリーズ第2弾

「ファイアスターター」は結城充孝の作品です。


【本の帯】

東京湾に浮かぶ新日本瓦斯開発株式会社の天然ガス掘削プラットフォーム“エレファント”。

大型台風が迫る夕刻、不審な転落事故が発生し、作業員一名が死亡。

暴風域に入る前に単身、現着した警視庁捜査一課殺人班の入間祐希は、事故現場で爆発物の存在を嗅ぎ取る。

施設に残った社員11名に事情聴取を進めようとするが、国家のエネルギー政策を担うプロジェクトを円滑に継続させようとする企業側と衝突。

嵐が吹き荒れる中、外部との通信がダウン、さらに作業服を着た不法入国者と思われる謎の男が札束を抱えて爆死した。

薬物、拳銃、金ー作業員たちの裏の顔が浮かび上がってきた時、ついに爆弾魔の狂気が暴走を始める…。


【読書後記】

優秀で美貌、傍若無人の女性刑事ものです。

この女性刑事というのがめっぽう強い。

体力もあって、屈強な男たちもたじたじです。

アンフェアに似ていますね。


洋上天然ガス掘削プラットフォームで発生した殺人事件。

台風の通過の為に、陸上と遮断された空間で爆弾魔が動き回ります。

いったい誰が爆弾魔なのか。

閉鎖空間の中で次々に人が死んでいきます。

新しいタイプの「そして誰もいなくなった」というところでしょうか。


重大な危機がプラットフォームに迫ります。

崩壊の危機です。

早く爆弾魔の動きを止めなければ…。

この時間設定がある・・というのも読者をワクワクさせます。


涼しい梅雨の一日、一気に読み終えてしまうくらいの楽しさでした。




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2017年06月09日

新・傭兵代理店 凶悪の序章(上)(下)

作者は渡辺裕之。

【本の帯】

轟音!任務前のリベンジャーズが、世界各地で同時に襲撃された。

日本では浩志・辰也・宮坂・加藤が、英国のワットは自宅を強襲され、タイの瀬川・黒川は訓練中に罠を。

そして、アメリカにいたアンディーは…。

浩志たちが探ろうとした、ISのテロリストたちの仕業なのか。

だがこれは、それから始まる“凶悪の序章”でしかなかったー。

最強の敵が現れる、怒涛の上巻。


【読後後記】

随分昔、このシリーズを読み漁っていた時がありました。

日本版の007というところでしょうか。

いやいや、チームで敵と戦いますのでミッション・インポッシブルという方がいいかもしれません。


主人公の元へは、爆発物の専門家や天才ハッカー、スナイパー、トレーサー(追跡の専門家)等々が集います。

それを束ねるのが、傭兵代理店の支配人というわけです。

この傭兵代理店は世界中にあって、武器弾薬の手配から、証拠隠滅、死体処理、他の組織からの依頼の授受、条件交渉、情報収集、偽造パスポートや裏の出入国等々の仕事をしています。

世界中の組織や政府から仕事を請け負います。

世界中の武器や特殊部隊がストーリーに絡んでくるのが楽しみになる作品です。

スピードとスリルが満載です。

傭兵たちは世界のあちこちを飛び回ります。

今日はアメリカ、明日はアフリカ、次は中近東とソビエト等々といった具合です。

アクションとハードボイルド、そしてバイオレンスでゲップが出そうになります。

好きな人にはたまらな作品でしょうね。

似たようなシリーズでコブラシリーズというのがありました。

こちらは日本政府のお抱えスパイみたいな主人公でした。


さて、今回の凶悪の序章で敵になるのはCIAの闇組織、ALというテロ軍団です。

アメリカに対し、凶悪なテロを仕掛けようとします。

仲間を殺されたチームの面々が復讐に立ち上がるというストーリー仕立てになっています。

打って打って打ちまくる場面が続きます。

主人公は、容赦なく敵を殺します。

勧善懲悪でないところも魅力になっています。



スパイ映画を観る気分です。


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2017年05月24日

栞子さんと果てない舞台 ビブリア完結編

ビブリア古書堂の事件手帖 7

作者は三上延

【本の帯】

ビブリア古書堂に迫る影。

太宰治自家用の『晩年』をめぐり、取り引きに訪れた老獪な道具商の男。

彼はある一冊の古書を残していくーー。

奇妙な縁に導かれ、対峙することになった劇作家ウィリアム・シェイクスピアの古書と謎多き仕掛け。

青年店員と美しき女店主は、彼女の祖父によって張り巡らされていた巧妙な罠へと嵌っていくのだった……。

人から人へと受け継がれる古書と、脈々と続く家族の縁。その物語に幕引きのときがおとずれる。

【読書後記】
このシリーズの一応の完結編ということになるようです。

最後のテーマは、シェークスピアです。


大輔というフリーターが偶然古書店に立ち寄る場面からこのシリーズは始まりました。

の古書店には、若く美しい店主がいました。

この二人が古書にまつわる謎を次々に解き明かしていくという物語です。


芥川龍之介、太宰治、江戸川乱歩、手塚治虫、そして最後はシェークスピア等々の古書に閉じ込められた謎を解いていくわけです。

決して殺人事件は出てきませんが、過去の事件が二重三重に絡まって登場します。

人の心の奥底にわだかまった怒りや復讐心が人々の前にさらされていきます。

過去の怨念とでもいうような物語が展開していくわけです。


初めは北鎌倉を舞台にしたほのぼのとした人情話のように感じました。

心温まるオムニバスのようでもありました。

しかし、10年前に疾走した母親の影が登場したあたりから本格推理小説のようになってきます


第7巻では、母親が失踪した原因が明かされます。

その原因を作った父親の存在。

その弟子の悪徳古書店主。

家屋敷を抵当に入れて臨んだ古書の競り市。

母親は敵なのか味方なのか。

息詰まる接戦が最後に準備されていました。

手に汗を握るラストシーンと大ドンデン返しは、まさに本格推理小説並みです。

いや、それ以上かもしれません。


カバーの美しいイラストに騙されてはいけません。

このシリーズは間違いなしの第一級作品です。

あとがきによると、登場する人々の番外編やスピンオフという形で続きが出るそうです。

また、アニメ映画化や実写映画化も予定されているということなので、楽しみに待ちたいと思います。



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2017年04月21日

ビブリア古書堂の事件手帖4

作者は三上延。

【本の帯】

珍しい古書に関係する、特別な相談ー謎めいた依頼に、ビブリア古書堂の二人は鎌倉の雪ノ下へ向かう。

その家には驚くべきものが待っていた。

稀代の探偵、推理小説作家江戸川乱歩の膨大なコレクション。

それを譲る代わりに、ある人物が残した精巧な金庫を開けてほしいと持ち主は言う。

金庫の謎には乱歩作品を取り巻く人々の数奇な人生が絡んでいた。

そして、深まる謎はあの人物までも引き寄せる。

美しき女店主とその母、謎解きは二人の知恵比べの様相を呈してくるのだがー。

【読後感想文】

先にこの本を紹介した時には、「カフーを待ちわびて」とか「食堂かたつむり」「つるかめ助産院」「神去なあなあ日常」のようにホンワカしたオムニバス物語だ…みたいなことを書いていました。

確かに3巻までは、古本屋さんに持ち込まれる本をめぐるホンワカした物語。

鎌倉を舞台にした優しい物語。

人と人との温かな関係を描く癒しの物語だったことに間違いはありません。


しかし、4巻目は違っていました

登場するのは江戸川乱歩の作品ばかり。

謎は謎を呼びスリリングに話が展開します。



3巻までは短編のオムニバス小説でしたが、今回は長編の本格推理小説に出来上がっています。

そして、実に楽しいのが江戸川乱歩に登場する怪人十二面相みたいな人物が絡んできます。

主人公のもとから、10年前に突然姿を消した母親です。


もう一人の主人公である古書堂のアルバイト青年もいっしょに、母親に翻弄されてしまいます。

また、二人の主人公の恋の行方もますます面白くなってきます。


7巻まで発刊されているんですから、読んだ人々が必ずリピーターになってるということでしょう。

人気のほどがうかがえるというものです。



本のカバーに騙されてはいけません。

少女雑誌のようなイラストですから、チャライ物語のかと思ったら大間違いです。

はまってしまいますよ。

ご注意ください。



ただいま、第5巻を読み始めたところです。

後日、ご紹介します。

こうご期待!というところです。




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2017年04月06日

ビブリア古書堂も三巻目

「ビブリア古書堂の事件手帖」という文庫本のシリーズがあります。

今は、7巻目まで出ているようです。



数週間ほど前、買って読んだ単行本が次から次にハズレだったんです。

人気作家さんが書いた本ですので、私の趣味に合ってなかったというだけなんでしょうけどね。

そんでもって、いつものようにイヨンの大きな本屋さんへ。


すると、目を引く本がずらりと並んでいるではないですか。

可愛いイラストが本の表紙に描かれています。

少女漫画の雑誌によくあるような美しい絵です。

オジサンがその本を取るには、勇気がいりそうです。

それでも、最近は買った本がハズレ続きでしたので、ダメモトということで一冊だけ買いました。

それも、中古本。

新刊は会計正面の台に平済みされていたんですが、数年前の本だったので中古のコーナーに行けばあるかもしれないと思って一応見てみました。

やっぱりありました。

新刊で買ったら550円するものでも、中古本で買えば200円です。

ダメモトで買うんですから、まあ我慢できる範囲でしょう。


ところが、読んでビックリ。

表紙は軽いものですが、中身は抜群な小説でした。

7巻まで続いた訳が理解できるというものです。


一巻目の要旨(本の帯)は次の通りです。


【本の帯】

就職浪人中の五浦大輔は、祖母の遺品の夏目漱石全集に書かれたサインの鑑定のために、ビブリア古書堂を訪れる。

なりゆきで、入院中の店主の元を訪ねると、そこには高校のころ偶然見かけた美しい黒髪の女性・篠川栞子がいた。

人見知りだが古書の知識は並大抵ではない栞子は、夏目漱石全集にまつわる謎を読み解き、大輔に語り始めた…。

これは、栞子と奇妙な客人達が織り成す、“古書と秘密”の物語であるーー。

【読後感想文】

オムニバスな短編集なんですが、短編を貫く一筋の謎が各編に隠れています。

各短編では、ビブリア古書堂に持ち込まれた名作の謎を解いていきます。

本を持って来た人にまつわる謎解きです。

決して血生臭い殺人事件があるわけではありません。

優しい人たちが交差する人情話ばかりです。

いくつかの人情話を説いていった最後の短編で大きな人情話が解き明かされます。


ある意味、ダラ〜っとした日常を描いただけのようにも思えます。

北鎌倉の風景やそこに住む人々が生き生きと描かれています。

どちらかというと、みんな暇人ばかりなようです。

この本の楽しさは、「カフーを待ちわびて」とか「食堂かたつむり」「つるかめ助産院」「神去なあなあ日常」などが好きな方には分かってもらえるでしょうか。

ずっと同じシリーズを読み続けたら飽きが来てしまいますので、途中に別の本を入れるようにしています。

今、3巻目に入っているんですが、ちょっと前には恩田陸の「終わりなき夜に生まれつく」を読んでいました。


さて3巻目。

今から、北鎌倉のビブリア古書堂にお邪魔することにいたしましょう。



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2017年02月24日

探偵の探偵V 松岡圭祐 

【本の帯】

正視できるか、これほどの悪を。

乗り越えられるか、これほどの憎悪を!

「探偵の探偵」シリーズ第三弾、早くも登場。

悪徳探偵を「駆除」するためにまったく手段を選ばない玲奈は、警察から24時間マークされることになる。

玲奈は監視をかわしながら、自分と家族の人生を破壊した「死神」を追い続ける。

ついに姿を現した「死神」の驚くべき正体とは。

あまりに過酷な闘いに、玲奈の心は持ちこたえられるのか? 

【読書後記】

第三弾ともなると、ストーリーがパターン化するきらいがありますが、今回は他の探偵事務所に属する探偵が主人公の協力者になって動きます。

逆に、これまで寛容だった警察が敵に回ります。

魅力は、例によって冴えわたる悪徳の探偵知識。

今回は、ピッキングの方法や尾行の仕方等の基礎知識よりも、化学変化を利用した探偵技術が面白く描かれています。

身近なものを利用してのアクションも楽しいです。

助手の姉までもが死の危機に陥ります。

主人公の機転と仲間たちの協力が功を奏します。

エンドですが、成長した助手が悪徳刑事を罠にはめるシーンがスカッとします。


博多から新幹線に乗って、東京に着くまでに読み終えてしまうくらいノンストップに楽しめる物語でした。




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2017年02月16日

探偵の探偵 第二弾 松岡圭祐

早くも第二弾の登場です。

【本の帯】

探偵会社スマ・リサーチ”対探偵課探偵”玲奈は、女性を拉致監禁している犯罪者のアパートで、妹を殺めたストーカーが持っていたのと同じ様式の調査書を見つけた。

あまりに似通った状況に、背後に蠢く闇のにおいを感じた玲奈は、身の危険を顧みず事件の真相へと向かっていく。

玲奈は妹に不幸をもたらした悪行探偵を「死神」と名付けた。

迫真の追跡劇。

【読書後記】

今回の事件は、変質者に誘拐された女性の救出劇から始まり、妹を殺害された事件との共通点を主人公が追いかけるというストーリーになっています。

その変質者は過去に同様の事件を起こしていて、殺した女性たちの動向を悪徳な探偵に探らせていたらしいのです。

その悪徳探偵が妹の事件にも関係しているという証拠を探偵はつかみます。

探偵が探偵を追いかけるというストーリーも面白いですし、主人公が問答無用に敵を痛めけるハードボイルドも楽しいです。

また、洋画のイレイザーやボーンシリーズにあるように、身近なものを武器にして相手に立ち向かう姿も気分がスカッとします。

情報機器を屈指して、敵を追い詰めたり警察の追及を逃れたりする姿も魅力になっています。

主人公は毎回ボロボロになるんですが、決して死なないというのもお約束です。

相手にも瀕死の重傷を負わすんですが、決して殺人までには至りません。

それを指して、探偵事務所の同僚が「寸止め」と揶揄します。

重大事件を起こしながら証拠を残しませんし、警察の弱点もつかんで行動します。

そんなところもうれしいですね。

第二弾は、警察から要注意人物に指定されて終わります。


第三弾が楽しみです。





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2017年02月11日

探偵の探偵 松岡圭祐

作者の松岡圭祐といえば、古くは催眠シリーズや千里眼シリーズで有名ですね。

つい数年前までは、万能鑑定士Qシリーズでも話題になりました。

【本の帯】

調査会社スマ・リサーチが併設する探偵学校に、笑わぬ美少女・紗崎玲奈が入校する。

探偵の全てを知りたいが探偵にはなりたくない、という彼女はなぜ探偵学校に入校したのか?

スマ・リサーチ社長・須磨康臣は、彼女の驚くべき過去をつきとめる。

須磨は玲奈の希望を鑑み「対探偵課」を設けた。

紗崎玲奈はひとり、悪徳探偵を追う"対探偵課探偵"となる。

2015年エンタメ小説界の話題をさらった傑作サスペンス。

【読書後記】

TVでも放映されたので、ご存知の方もあると思います。

主人公は妹を殺された過去を持つ美人探偵。

殺され方があまりにも残酷なために、主人公は復讐心を燃やします。

こんなストーリーが、シリーズの伏線として流れます。

妹はストーカーに殺されますが、犯人自体も自殺します。

ストーカーに妹の動向を調査して教えた探偵がいました。

その探偵が、主人公のターゲットということになっています。

一冊一冊にはそれぞれ読み切りのストーリーがあって、主人公が大活躍するというわけです。


主人公が抜群のスタイルと美貌の持ち主であることはセオリー通りです。

めっぽう強いというのも同じです。

自分も徹底的に傷を負いますが、相手は常に半殺しの目に合わせます。

悪人の暴力を軽くいなすなんて、カッコいいヒーローではないんです。

情け容赦のないところが、このシリーズの魅力になっています。


正義の味方でないのは、主人公だけではありません。

探偵社の所長も同僚も敵の探偵も、みんなみんな犯罪者ばかりです。

詐欺や恐喝をする探偵を無力化するのが主人公の役目です。

いつかは、妹を死に追いやった探偵に近づけるかも・・・。

アクションやカーチェイスの連続で、スピーディーな展開も魅力です。



何気なく買ってしまった一冊ですが、あまりにも面白いもんでシリーズの第二弾、第三弾もすぐに購入しました。

その読書後記はまた後日にUPしますので、よろしかったら読んでください。




posted by 田沼 at 05:16| Comment(0) | 読書のススメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする