2017年05月24日

栞子さんと果てない舞台 ビブリア完結編

ビブリア古書堂の事件手帖 7

作者は三上延

【本の帯】

ビブリア古書堂に迫る影。

太宰治自家用の『晩年』をめぐり、取り引きに訪れた老獪な道具商の男。

彼はある一冊の古書を残していくーー。

奇妙な縁に導かれ、対峙することになった劇作家ウィリアム・シェイクスピアの古書と謎多き仕掛け。

青年店員と美しき女店主は、彼女の祖父によって張り巡らされていた巧妙な罠へと嵌っていくのだった……。

人から人へと受け継がれる古書と、脈々と続く家族の縁。その物語に幕引きのときがおとずれる。

【読書後記】
このシリーズの一応の完結編ということになるようです。

最後のテーマは、シェークスピアです。


大輔というフリーターが偶然古書店に立ち寄る場面からこのシリーズは始まりました。

の古書店には、若く美しい店主がいました。

この二人が古書にまつわる謎を次々に解き明かしていくという物語です。


芥川龍之介、太宰治、江戸川乱歩、手塚治虫、そして最後はシェークスピア等々の古書に閉じ込められた謎を解いていくわけです。

決して殺人事件は出てきませんが、過去の事件が二重三重に絡まって登場します。

人の心の奥底にわだかまった怒りや復讐心が人々の前にさらされていきます。

過去の怨念とでもいうような物語が展開していくわけです。


初めは北鎌倉を舞台にしたほのぼのとした人情話のように感じました。

心温まるオムニバスのようでもありました。

しかし、10年前に疾走した母親の影が登場したあたりから本格推理小説のようになってきます


第7巻では、母親が失踪した原因が明かされます。

その原因を作った父親の存在。

その弟子の悪徳古書店主。

家屋敷を抵当に入れて臨んだ古書の競り市。

母親は敵なのか味方なのか。

息詰まる接戦が最後に準備されていました。

手に汗を握るラストシーンと大ドンデン返しは、まさに本格推理小説並みです。

いや、それ以上かもしれません。


カバーの美しいイラストに騙されてはいけません。

このシリーズは間違いなしの第一級作品です。

あとがきによると、登場する人々の番外編やスピンオフという形で続きが出るそうです。

また、アニメ映画化や実写映画化も予定されているということなので、楽しみに待ちたいと思います。



posted by 田沼 at 05:38| Comment(0) | 読書のススメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月21日

ビブリア古書堂の事件手帖4

作者は三上延。

【本の帯】

珍しい古書に関係する、特別な相談ー謎めいた依頼に、ビブリア古書堂の二人は鎌倉の雪ノ下へ向かう。

その家には驚くべきものが待っていた。

稀代の探偵、推理小説作家江戸川乱歩の膨大なコレクション。

それを譲る代わりに、ある人物が残した精巧な金庫を開けてほしいと持ち主は言う。

金庫の謎には乱歩作品を取り巻く人々の数奇な人生が絡んでいた。

そして、深まる謎はあの人物までも引き寄せる。

美しき女店主とその母、謎解きは二人の知恵比べの様相を呈してくるのだがー。

【読後感想文】

先にこの本を紹介した時には、「カフーを待ちわびて」とか「食堂かたつむり」「つるかめ助産院」「神去なあなあ日常」のようにホンワカしたオムニバス物語だ…みたいなことを書いていました。

確かに3巻までは、古本屋さんに持ち込まれる本をめぐるホンワカした物語。

鎌倉を舞台にした優しい物語。

人と人との温かな関係を描く癒しの物語だったことに間違いはありません。


しかし、4巻目は違っていました

登場するのは江戸川乱歩の作品ばかり。

謎は謎を呼びスリリングに話が展開します。



3巻までは短編のオムニバス小説でしたが、今回は長編の本格推理小説に出来上がっています。

そして、実に楽しいのが江戸川乱歩に登場する怪人十二面相みたいな人物が絡んできます。

主人公のもとから、10年前に突然姿を消した母親です。


もう一人の主人公である古書堂のアルバイト青年もいっしょに、母親に翻弄されてしまいます。

また、二人の主人公の恋の行方もますます面白くなってきます。


7巻まで発刊されているんですから、読んだ人々が必ずリピーターになってるということでしょう。

人気のほどがうかがえるというものです。



本のカバーに騙されてはいけません。

少女雑誌のようなイラストですから、チャライ物語のかと思ったら大間違いです。

はまってしまいますよ。

ご注意ください。



ただいま、第5巻を読み始めたところです。

後日、ご紹介します。

こうご期待!というところです。




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2017年04月06日

ビブリア古書堂も三巻目

「ビブリア古書堂の事件手帖」という文庫本のシリーズがあります。

今は、7巻目まで出ているようです。



数週間ほど前、買って読んだ単行本が次から次にハズレだったんです。

人気作家さんが書いた本ですので、私の趣味に合ってなかったというだけなんでしょうけどね。

そんでもって、いつものようにイヨンの大きな本屋さんへ。


すると、目を引く本がずらりと並んでいるではないですか。

可愛いイラストが本の表紙に描かれています。

少女漫画の雑誌によくあるような美しい絵です。

オジサンがその本を取るには、勇気がいりそうです。

それでも、最近は買った本がハズレ続きでしたので、ダメモトということで一冊だけ買いました。

それも、中古本。

新刊は会計正面の台に平済みされていたんですが、数年前の本だったので中古のコーナーに行けばあるかもしれないと思って一応見てみました。

やっぱりありました。

新刊で買ったら550円するものでも、中古本で買えば200円です。

ダメモトで買うんですから、まあ我慢できる範囲でしょう。


ところが、読んでビックリ。

表紙は軽いものですが、中身は抜群な小説でした。

7巻まで続いた訳が理解できるというものです。


一巻目の要旨(本の帯)は次の通りです。


【本の帯】

就職浪人中の五浦大輔は、祖母の遺品の夏目漱石全集に書かれたサインの鑑定のために、ビブリア古書堂を訪れる。

なりゆきで、入院中の店主の元を訪ねると、そこには高校のころ偶然見かけた美しい黒髪の女性・篠川栞子がいた。

人見知りだが古書の知識は並大抵ではない栞子は、夏目漱石全集にまつわる謎を読み解き、大輔に語り始めた…。

これは、栞子と奇妙な客人達が織り成す、“古書と秘密”の物語であるーー。

【読後感想文】

オムニバスな短編集なんですが、短編を貫く一筋の謎が各編に隠れています。

各短編では、ビブリア古書堂に持ち込まれた名作の謎を解いていきます。

本を持って来た人にまつわる謎解きです。

決して血生臭い殺人事件があるわけではありません。

優しい人たちが交差する人情話ばかりです。

いくつかの人情話を説いていった最後の短編で大きな人情話が解き明かされます。


ある意味、ダラ〜っとした日常を描いただけのようにも思えます。

北鎌倉の風景やそこに住む人々が生き生きと描かれています。

どちらかというと、みんな暇人ばかりなようです。

この本の楽しさは、「カフーを待ちわびて」とか「食堂かたつむり」「つるかめ助産院」「神去なあなあ日常」などが好きな方には分かってもらえるでしょうか。

ずっと同じシリーズを読み続けたら飽きが来てしまいますので、途中に別の本を入れるようにしています。

今、3巻目に入っているんですが、ちょっと前には恩田陸の「終わりなき夜に生まれつく」を読んでいました。


さて3巻目。

今から、北鎌倉のビブリア古書堂にお邪魔することにいたしましょう。



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2017年02月24日

探偵の探偵V 松岡圭祐 

【本の帯】

正視できるか、これほどの悪を。

乗り越えられるか、これほどの憎悪を!

「探偵の探偵」シリーズ第三弾、早くも登場。

悪徳探偵を「駆除」するためにまったく手段を選ばない玲奈は、警察から24時間マークされることになる。

玲奈は監視をかわしながら、自分と家族の人生を破壊した「死神」を追い続ける。

ついに姿を現した「死神」の驚くべき正体とは。

あまりに過酷な闘いに、玲奈の心は持ちこたえられるのか? 

【読書後記】

第三弾ともなると、ストーリーがパターン化するきらいがありますが、今回は他の探偵事務所に属する探偵が主人公の協力者になって動きます。

逆に、これまで寛容だった警察が敵に回ります。

魅力は、例によって冴えわたる悪徳の探偵知識。

今回は、ピッキングの方法や尾行の仕方等の基礎知識よりも、化学変化を利用した探偵技術が面白く描かれています。

身近なものを利用してのアクションも楽しいです。

助手の姉までもが死の危機に陥ります。

主人公の機転と仲間たちの協力が功を奏します。

エンドですが、成長した助手が悪徳刑事を罠にはめるシーンがスカッとします。


博多から新幹線に乗って、東京に着くまでに読み終えてしまうくらいノンストップに楽しめる物語でした。




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2017年02月16日

探偵の探偵 第二弾 松岡圭祐

早くも第二弾の登場です。

【本の帯】

探偵会社スマ・リサーチ”対探偵課探偵”玲奈は、女性を拉致監禁している犯罪者のアパートで、妹を殺めたストーカーが持っていたのと同じ様式の調査書を見つけた。

あまりに似通った状況に、背後に蠢く闇のにおいを感じた玲奈は、身の危険を顧みず事件の真相へと向かっていく。

玲奈は妹に不幸をもたらした悪行探偵を「死神」と名付けた。

迫真の追跡劇。

【読書後記】

今回の事件は、変質者に誘拐された女性の救出劇から始まり、妹を殺害された事件との共通点を主人公が追いかけるというストーリーになっています。

その変質者は過去に同様の事件を起こしていて、殺した女性たちの動向を悪徳な探偵に探らせていたらしいのです。

その悪徳探偵が妹の事件にも関係しているという証拠を探偵はつかみます。

探偵が探偵を追いかけるというストーリーも面白いですし、主人公が問答無用に敵を痛めけるハードボイルドも楽しいです。

また、洋画のイレイザーやボーンシリーズにあるように、身近なものを武器にして相手に立ち向かう姿も気分がスカッとします。

情報機器を屈指して、敵を追い詰めたり警察の追及を逃れたりする姿も魅力になっています。

主人公は毎回ボロボロになるんですが、決して死なないというのもお約束です。

相手にも瀕死の重傷を負わすんですが、決して殺人までには至りません。

それを指して、探偵事務所の同僚が「寸止め」と揶揄します。

重大事件を起こしながら証拠を残しませんし、警察の弱点もつかんで行動します。

そんなところもうれしいですね。

第二弾は、警察から要注意人物に指定されて終わります。


第三弾が楽しみです。





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2017年02月11日

探偵の探偵 松岡圭祐

作者の松岡圭祐といえば、古くは催眠シリーズや千里眼シリーズで有名ですね。

つい数年前までは、万能鑑定士Qシリーズでも話題になりました。

【本の帯】

調査会社スマ・リサーチが併設する探偵学校に、笑わぬ美少女・紗崎玲奈が入校する。

探偵の全てを知りたいが探偵にはなりたくない、という彼女はなぜ探偵学校に入校したのか?

スマ・リサーチ社長・須磨康臣は、彼女の驚くべき過去をつきとめる。

須磨は玲奈の希望を鑑み「対探偵課」を設けた。

紗崎玲奈はひとり、悪徳探偵を追う"対探偵課探偵"となる。

2015年エンタメ小説界の話題をさらった傑作サスペンス。

【読書後記】

TVでも放映されたので、ご存知の方もあると思います。

主人公は妹を殺された過去を持つ美人探偵。

殺され方があまりにも残酷なために、主人公は復讐心を燃やします。

こんなストーリーが、シリーズの伏線として流れます。

妹はストーカーに殺されますが、犯人自体も自殺します。

ストーカーに妹の動向を調査して教えた探偵がいました。

その探偵が、主人公のターゲットということになっています。

一冊一冊にはそれぞれ読み切りのストーリーがあって、主人公が大活躍するというわけです。


主人公が抜群のスタイルと美貌の持ち主であることはセオリー通りです。

めっぽう強いというのも同じです。

自分も徹底的に傷を負いますが、相手は常に半殺しの目に合わせます。

悪人の暴力を軽くいなすなんて、カッコいいヒーローではないんです。

情け容赦のないところが、このシリーズの魅力になっています。


正義の味方でないのは、主人公だけではありません。

探偵社の所長も同僚も敵の探偵も、みんなみんな犯罪者ばかりです。

詐欺や恐喝をする探偵を無力化するのが主人公の役目です。

いつかは、妹を死に追いやった探偵に近づけるかも・・・。

アクションやカーチェイスの連続で、スピーディーな展開も魅力です。



何気なく買ってしまった一冊ですが、あまりにも面白いもんでシリーズの第二弾、第三弾もすぐに購入しました。

その読書後記はまた後日にUPしますので、よろしかったら読んでください。




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2017年02月07日

スナイパーズ・アイ

作者は神永学。

【本の帯】

連続狙撃殺人に潜む、悲しき暗殺者の過去。

黒幕に迫り事件の運命を変えられるのか?!

最強の探偵チームが疾走する大人気シリーズ!

【読書後記】

タイム・ラッシュに続いて、シリーズ第2弾。

元刑事の山縣率いる探偵チームの物語。

[依頼人からの報酬は受け取っているのだろうか?]と心配になるくらいの活躍ぶりです。

大型のバンの中には最新の追跡・監視機器が備わっているし、主人公はバイクを何台もオシャカにするし・・・。

まあ、そこは物語なので大目に見ることにしましょう。


この小説には引っ掛けがありました。

「男」というのがキーワードです。

推理小説によくある「犯人は初めから登場していた」というセオリーがそのまま使われていました。


読み進むうちに、元SAT隊員のスナイパーが人質を取って病院に立てこもります。

そして、彼の首と体にセットされた爆弾は3時間で爆発することになっています。

解除コードと鍵がなければ取り外しができません。

ここからがノンストップアクション。

スピーディーな展開がこの物語を楽しくしています。

犯人側への内通者が誰なのか・・・警察内部の敵と戦う所轄の警部も援軍にくぁわります。

うれしい存在です。



新幹線で博多から東京に行くまでに読んでしまう人もいるかもしれません。

いい塩梅の探偵小説ですので、皆さんにお勧めです。






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2017年01月29日

タイム・ラッシュ 天名探偵 真田省吾

作者は神永学。

【本の帯】

真田省吾、職業は探偵。

養護施設で育ち、元警視庁の敏腕刑事に拾われ事務所に住み込みで働いていた。

ある日、謎の美少女から奇妙な依頼が持ち込まれる。

「私の夢の中で殺される人を助けて」。

彼女は人の死を予見する能力を持ち、それが現実になる可能性、これまで100%。

この予知夢に法則はあるのか、そして運命は変えられるのか?

人気絶頂アクション・クライムミステリー!

【読書後記】

心霊探偵八雲シリーズの作者なんで、子どもっぽい作品かと誤解していました。

確かに主人公は元気のいい若者ではありますが、話全体は満足できるものでした。

神保裕一の作品に「奪取」というのがありましたが、主人公の雰囲気がなんとなく似ています。

クライムストーリーというんでしょうかね。

殺人事件が勃発して、どんどん話が展開していきます。

スピーディーな展開で、本を置きっぱなしにできなくなります。

夢中になってしまいます。

地下鉄の中で夢中に読んでいた時には、降りるべき駅を乗り越してしまいそうになりました。


事件解決までの限られた時間、人質救出、犯人探しの謎解き、過去の事件との関連等々。

もう!どんどん場面が移り変わるし、バイクと車の衝突はあるし。

今風の演出に、楽しさが倍増します。


登場人物も多彩です。

両親を目の前で射殺された経験を持つ主人公。

殺人事件の予知夢を見る可憐な少女。

麻薬に溺れた過去がある変装名人の美女探偵。

優秀な麻薬捜査官だった探偵事務所長。

等々が織りなすストーリーですから、面白くないわけが無いんです。



寒い冬の一日、暖かい部屋で一気呵成に読んでしまいました。

シリーズ化された理由が分かるというものです。

シリーズ第二弾を購入しましたので、またご紹介します。



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2017年01月19日

白銀ジャック 東野圭吾

【本の帯】

「我々は、いつ、どこからでも爆破できる」。

年の瀬のスキー場に脅迫状が届いた。

警察に通報できない状況を嘲笑うかのように繰り返される、山中でのトリッキーな身代金奪取。

雪上を乗っ取った犯人の動機は金目当てか、それとも復讐か。

すべての鍵は、一年前に血に染まった禁断のゲレンデにあり。

今、犯人との命を賭けたレースが始まる。

圧倒的な疾走感で読者を翻弄する、痛快サスペンス。

【読書後記】

映画化された「疾風ロッド」の前の作品だということで購入しました。

東野圭吾作品ということで信用もしました。

しかし、読んでみると私的には高い評価はとても付けられないと思いました。


スキー場に爆弾を埋めたという犯人の要求に従って、身代金の受け渡しあります。

何度も身代金の要求があるんですが、そのたびに同じような受け渡し場面が描かれます。

舞台が一つのスキー場で人も建物も同じなのに、物語の流れまで繰り返されるの では間延びしてしまいます。

なんの紆余曲折もなく、危機感もなく同じ話が繰り返されるわけです。

「いい加減で犯人探しやれよ」という気持ちが爆発しそうになります。


全体は400ページくらいなのに、謎解きは最後の20ページ目くらいからいっぺんにやってきます。
 
ほんの数ページだけで犯人の動機が明かされます。

少しずつ犯罪を解き明かしていく東野圭吾作品の面白さが、私には見出せませんでした。


主人公がスキー場のマネージャーなのか、パトロール隊員なのか、それとも別の誰かなのか、焦点化していないようにも思えます。

最後は、急にハッピーエンドに話が終わってしまいます。

エンドの一行で誰かと誰かの恋愛物語まであって、実に不思議かつ不可解な後味でした。


次の「疾風ロット」に期待したいところですが、私はこれで東野圭吾作のスキー場シリーズは終了とさせていただきます。





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2017年01月12日

ブギウギ 坂東眞砂子

作者は坂東眞砂子。

【あらすじ】

敗戦前

敗戦間近の箱根で、ドイツ軍潜水艦長が変死した。

違体を発見したのは旅館の女中・安西リツ。

事件調査の通訳を任された法城は他殺を疑うが、ドイツ人軍医シュルツェは、自殺であると断言する。

不審に思い調べを進めると、そこにはナチス・ドイツの陰謀の影が見え隠れしていた。

一方リツは、ドイツ人潜水艦乗組員の若者パウルと急接近し、その後ラジオから流れてきた陽気なジャズの調べに新たな明日を感じるのだが…。


敗戦後

敗戦から2年ほど過ぎ、まだ国は困窮と混乱の中にあったが、人々の目には興奮と輝きがあった。

占領軍に呼び出された法城は、箱根の事件の原因と思しきあるものを探し出せと命じられる。

重要な手がかりを持つ人物として浮かび上がったのは、あの安西リツだった。

リツは東京でジャズシンガーになっているという。

彼らは再び、国際的陰謀に巻き込まれてゆくー。

動乱の時代を力強く生き抜く女たちを描く、著者渾身のミステリ巨編。


【読書後記】

戦前の舞台は箱根です。

本の帯を読んだら、終戦前後の暗闇の部分、米軍や独軍、日本軍の情報部が交差しながら物語が進んでいくような感じがしていました。

確かにそんな部分もあるんですが、大半は箱根の山奥に暮らす湯屋の女中さんの波乱に富んだ人生が描かれています。


日本の近海で沈んだドイツUボートの乗組員が箱根に収容されています。

その滞在地の宿屋で働くのが主人公の女中さん。

ドイツ兵との恋物語やUボート関東の殺人事件が交差しながら物語が進みます。

怖くなんかありません。

田舎の温泉宿ののんびりした物語です。


戦後、東京に出てきてジャズに目覚め、ブギウギを歌うまでの風物詩みたいな物語です。

GHQなどの情報機関が出てきますが、やっぱりのんびりした感があります。

特に起承転結があるわけではありません。

飽きもせずについつい読み進めてしまいます。

作者の筆力というものなんでしょうね。





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2016年12月29日

贖罪の奏鳴曲(ソナタ)

 作者は、中山七里。

【本の帯】

御子柴礼司は被告に多額の報酬を要求する悪辣弁護士。

彼は十四歳の時、幼女バラバラ殺人を犯し少年院に収監されるが、名前を変え弁護士となった。

三億円の保険金殺人事件を担当する御子柴は、過去を強請屋のライターに知られる。

御子柴礼司は、ある晩、記者の死体を遺棄した。

死体を調べた警察は、御子柴に辿りつき事情を聴く。

だが、彼には死亡推定時刻は法廷にいたという鉄壁のアリバイがあった。

驚愕の逆転法廷劇!

【読書後記】

強請屋のライター殺人事件と三億円の保険金殺人事件。

二つの事件が交差します。

この物語の興味は、二つの殺人事件がどう絡み、どんな動機で、どうやって実行されたかを解き明かすことにあります。

犯人は誰か?・・・ではないんです。

読者は犯人に早い段階から気が付いているんです。


悪徳弁護士の過去にも興味深いのですので、彼が少年院時代を回想する場面が一番の山場として描かれています。

法廷での逆転劇は、案外あっさりしたものでした。

それよりもその後の展開が、1ページごとに大逆転の繰り返しになります。

本当の犯人は誰なのか???


一気に読み進めた物語でした。





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2016年12月25日

マル暴総監 今野敏

【本の帯】

チンピラが路上で睨みあっているとの通報を受けて、現場に駆けつけた北綾瀬署のマル暴刑事・甘糟。人垣に近こうと思ったそのとき「待て、待て、待て」と大きな声がかかり、白いスーツを来た恰幅のいい男が割って現れた。

翌日の夜、チンピラのひとりが刺殺体で発見される。

捜査本部が立ち上がり甘糟とコワモテの先輩刑事・郡原も参加するが、捜査線上に浮かんだ意外すぎる人物に翻弄されることにーー。

“史上最弱の刑事”甘糟の奮闘ぶりに笑って泣ける〈マル暴〉シリーズ、待望の第2弾。

〈任侠〉シリーズの阿岐本組の面々も登場!

【読書後記】

例によって、困った時の今野敏。

私の暇つぶしの一番人気は読書ということになっています。

どんな本を読もうかと考える時に、ハズレが少ないのが今野敏です。

東野圭吾もそうかな?


今回の主役はマル暴刑事。

暴力団担当の刑事です。

通常、物語の世界では体格のいい強面の刑事か、インテリやくざ風のエリート刑事と決まっています。

しかし、今回の主人公は事なかれ主義で愚痴ばかりこぼしているひ弱な青年刑事です。

実にカッコ悪い。


そこに登場したのが、警視総監。

江戸の町の治安を預かる「遠山の金さん」みたいな登場です。

錦の御旗を背負っているという点では、「水戸黄門」かもしれません。

現実の世界で、警視総監が事件現場に現われたり、捜査会議に顔を出したりなんてあり得ないでしょう。


そこがフィクションの世界だからこその設定ですので、本物の刑事さんには許していただきたいところです。

ひ弱な刑事が事情聴取によく出かける先が、2つの暴力団事務所です。

一人は若い新興やくざ。

もう一人は老舗の組織の幹部やくざ。

2つの事務所に何度か訪れるごとに事件の真相に迫っていくという筋立てが、なんともコミカルで楽しく描かれています。



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2016年12月21日

聖者の凶数 警視庁殺人分析班

作者は麻見和史。

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【本の帯】

暮れも押し迫った夜、上野の空きアパートの一室で、顔と両腕を損壊された遺体が見つかった。

手がかりは、遺体の腹に記された謎の数字と、狩りの守護聖人のカードだけ。

連続殺人を予測した如月塔子ら警察の捜査むなしく、第二の事件が発生。

またも記された数字は、犯人からの挑発なのか。

数字の意味は?

彼の意図は?

謎と推理の応酬の果てに彼女らが辿りついた、残酷で哀しい真相とは。

超人気本格警察小説シリーズ第5弾!


【読書後記】

作品もシリーズ5作目となると雰囲気がずいぶんと変わってきました。

これまでのシリーズでは、常に犯人側からの視点からも描かれていました。

警察の捜査をあざ笑うかのような記述が、随所に出ていたんです。

異常者の心の動きとして描かれていました。

それが、今回は全く見当たりません。

連続殺人事件の犯人には同情できるような動機が判明するんですが、それが優しすぎる感じになっているのが残念です。


殺人分析班の面々のキャラも薄れてしまっています。

個々人が活躍するというよりも、女性捜査官とその指導役である主任捜査官の物語のようになっています。


最後の最後になって探偵役が全ての謎解きを行うという構成も感心しません。

作者のアイディア も尽きたのでしょうか。

連続殺人事件にもうひとつの殺人事件をかましたという点は新しいかな?とは思いました。


まあ、いずれにしても本シリーズとのお付き合い今回は最後になるだろうと思います。


ただし、作者の麻見和史氏の作風には期待したいので、本シリーズの前後に発刊された作品を探そうと思っています。





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2016年12月16日

虚空の糸 警視庁殺人分析班

作者は、麻見和史。

【本の帯】

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マンションの非常階段で発見された、自殺を装った他殺死体。

捜査一課の如月塔子が偽装の意味を思案するさなか、犯行声明と新たな殺害を仄めかすメールが警視庁へ届いた。

翌日以降も、都民を毎日ひとりずつ殺していくという。

警察への怒りを露にする犯人の、真の目的とは。

殺人分析班の逆転の推理が冴える!

【読書後記】

最初の事件は団地の非常階段で発生します。

自分でナイフを持って胸を突き刺し、そのまま階段に座り込んだように見えます。

次の殺人事件の被害者は、放置された車のトランクの中から発見されます。

死体の横には大量の睡眠導入剤がばら撒かれています。

第三の死体は、廃品置き場の布団袋の中からは、首にロープが巻かれた状態で発見されます。

身代金を要求する犯人からは、要求に応じなければなら毎日一人ずつ東京都民を殺すという電話がかかります。

犯人は、都民の身代金として2億円を要求するのです。

殺人分析班の活躍はいかに・・・というのが、今回の物語。

西村京太郎の小説に似たようなものがあったように記憶していますがどうでしょう。



本シリーズは、捜査する側からの視点と犯人側からの視点から描かれます。

犯人の巧妙なミスリードによって迷走する警察。

読者は警察の迷走にイライラしながら読み進めるわけです。

感情移入は、半端なものではありません。

分析班のメモを頼りに、犯人の素性を推理するという楽しみも味わえます。


このシリーズでは、女性往査感が男性刑事にバッシングを受けたり、警察内部のセクト争いは描かれていません。

その分、安心して読み進められるというものです。

現実味のある警察小説と、本格推理小説が合体したような物語に感嘆しました。



追伸です。

このシリーズは、主人公が聞き込みで訪れた人の中に犯人がいます。

早い段階に、犯人と遭遇しているんです。



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2016年12月07日

水晶の鼓動 警視庁殺人分析班

作者は麻見和史。

【本の帯】

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殺人現場は、部屋中真っ赤に染められた「赤い部屋」!新人刑事・如月塔子と相棒の鷹野は、遺留品の捜査を開始する。

だがそれは、連続殺人の始まりに過ぎなかったー。

さらに時を同じくして、都内各所で連続爆破事件が発生!姿なき犯人の無差別な犯行に、国民の警察への不信感は高まるばかり。

大量の人員がテロ対策に割かれ、特捜本部は危機的状況に!

「赤い部屋」の謎とは一体?

東京の運命は!?

骨太警察ミステリ。

【読後後記】

シリーズも三作目になると、殺人事件の猟奇性が増しています。

殺人現場の部屋中に、赤いラッカースプレーが吹き付けられているんです。

何かの痕跡を消すためであることは薄々分かるのですが、血しぶきが飛び散ったように想像してしまいます。

かつて、横溝正史や江戸川乱歩が描いた事件にそんのがあったように思います。


今回も連続殺人事件なんですが、それに加えて連続爆破事件も発生します。

捜査一課と公安部が共同して捜査に当たるという、前代未聞の捜査会議が見ものです。



後で分かることなんですが、早い時期に主人公は犯人に会っていたんですね。

あまり詳しく話すとネタばらしになってしまいますので、詳しい話はここまでにしておきます。

一つだけお話しするとすれば、この事件には非常に特殊な脳障害が関係しています。


さて、今回も分析班が三班に分かれて事件を追います。

現場周辺で情報収集に当たる「地取り班」、被害者の人間関係を明らかにする「鑑取り班」、証拠品の出どころを探る「ナシ割り班」。

彼らの活躍を今回も期待したいところです。


また、主人公の小柄な女性捜査官と大柄な主任捜査官とのやり取りも軽妙で、読者の興味を引くところです。



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2016年11月30日

蟻の階段 警視庁殺人分析班 

作者は、麻見和史。

2000001579576.jpg【本の帯】

頭蓋骨に白い花、掛け時計にスープ皿ーーテーブルの上の惨殺遺体を囲むように置かれた謎めいた品々。

絵画を模したような現場を作り、さらに「過去の亡霊」を名乗って警察OBの自宅に電話をかけてきた犯人。

自らの存在をアピールしたいのか。

如月塔子ら殺人分析班が鋭い推理で明かす、歪んだホシの正体とは。

(講談社文庫)

【読書後記】

本の帯に「TVドラマ化」とか書いてあったら、ついつい手に取ってしまいます。

何々文学賞とか書いてあったら、ついつい買ってしまいますよね。

あれと同じような買い物意識です。

たまにハズレもあるんですが、この本だけはアタリです。


死体に、謎めいた装飾がされた殺人事件。

ブアニタス画という静止画を描く時の構図、手法を真似ているようです。

当然、凡人の私には何のことやらちんぷんかんぷんです。

警視庁捜査一課の殺人分析班がその謎に挑みます。


シリーズ二作目となれば殺人分析班の連中もお馴染みになりました。

彼らは、地取り班、鑑取り班、ナシ割り班に分かれて捜査します。

初動捜査の読み間違いから事態は思わぬ方向へ・・・。

次第に22年前の事件との関連が分かり、犯人が特定された頃からが本シリーズの見せ場です。

犯人との知恵比べで、ラストまでノンストップ。



元刑事の家の・・・・に大きな秘密が隠されていたんですねえ。


読者までをも騙す作者にエールを送りたいと思います。




posted by 田沼 at 17:25| Comment(0) | 読書のススメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月25日

石の繭 警視庁殺人分析班

作者は、麻見和史。



【本の帯】

2000000119858.jpgモルタルで石像のごとく固められた変死体が発見された。

翌朝、愛宕署特捜本部に入った犯人からの電話。

なぜか交渉相手に選ばれたのは、新人刑事の如月塔子だった。

自らヒントを提示しながら頭脳戦を仕掛ける知能犯。

そして警察を愚弄するかのように第二の事件がーー緻密な推理と捜査の迫力が光る傑作警察小説!

(講談社文庫)

【読書後記】

この作者とは、初めての出会いです。

副題の警視庁殺人分析班というのに惹かれました。

また、シリーズ化、ドラマ化されているんだから、きっと面白いんだろうなあという読みもありました。

自分を褒めてやりたいくらいに、いい読みでした。


若い女性捜査官が主人公ですので、今風の流れです。

廃屋で見つかった死体。

さらに起こる連続殺人事件。

捜査は確実に犯人を追い込んでいきます。

スピーディーですが、前半は特に優れた筋立てとは思えませんでした。


が、が、が、しかしです。

ラスト間近の残すところ100ページにさしかかろうかという時になって、大どんでん返しの始まりです。

そのあとは、ノンストップ。


シリーズ化されたりドラマ化されたりしたのが、十分納得いきます。

むしろ、江戸川乱歩賞とか本多大賞とかを取ってないことの方が不思議です。

第一級の警察小説、エンタメ小説です。







posted by 田沼 at 17:50| Comment(0) | 読書のススメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月19日

ツバキ文具店 小川糸

9784344029279.jpg【本の帯】

ラブレター、絶縁状、天国からの手紙…。

鎌倉で代書屋を営む鳩子の元には、今日も風変わりな依頼が舞い込む。

伝えられなかった大切な人への想い。あなたに代わって、お届けします。


【読書後記】

作者は、「食堂かたつむり」「つるかめ助産院」等で知られています。

雰囲気もよく似ていますが、もっともっとゆら〜っとした雰囲気、癒やしの小説です。

食堂・・・・やつるかめ・・・・は、一人の女性が善意の人々に囲まれながら生き抜く姿を描いていました。

基本的には同じなんですが、ゆら〜っと日常が流れていくという点では卓越してい物語に思います。

起承転結ははっきりしていないですが、とにかく古都鎌倉を舞台にして温かな時間が流れていくんです。


人物は、ほとんどがあだ名で登場します。

主人公はポッポちゃん。

その育ての親は、先代。

その妹は、スシ子あばさん。

隣の住人は、バーバラ婦人。

主人公の文通相手はQPちゃん。

他に、男爵やパンティさん、マダムカルピスさん、舞さん、こけしちゃん、モロカゲさん等々。

みんな日本人ですよ。


主人公は文具店の店主、代筆屋さんです。

先代から受け継いでいます。

依頼を受けて、人の思いを相手に伝える手紙屋さんといったところでしょうか。

代筆を依頼に来た人々の思いを受けながら、手紙の文面を考えます。

文面もさることながら、紙質や筆、ペン、インクの種類にまでこだわって手紙をしたためる場面が印象的でした。

友達への絶縁状を書く依頼を受けた時には、鏡文字まで使って依頼人の思いを代弁するという離れ業を使いました。

ほのぼのとした心の交流が思い浮かびます。


また、一話ずつ完結して春夏秋冬の鎌倉を描き、ステキなお店を紹介します。

その時々に、先代である祖母のことが思い出されます。

ケンカ別れした祖母の愛情を、時が進むにつれて深く深く感じていく主人公です。

最後の手紙は先代の祖母へ向けて・・・・。



殺人事件や冒険小説、アクションばかり読んでいた私の心も、ちょっとばかり洗われたような気になります。

そう、ちょっとばかり・・・・。


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posted by 田沼 at 04:46| Comment(0) | 読書のススメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月12日

神様の裏の顔 横溝正史賞

 作者は、藤崎翔。

【本の帯】

神様のような清廉な教師、坪井誠造が逝去した。

その通夜は悲しみで包まれ、誰もが涙したーーと思いきや、年齢も職業も多様な参列者たちが彼を思い返すうち、とんでもない犯罪者であった疑惑が持ち上がり……。

【読後後記】

実にユニークなストーリー展開に、脱帽させられた作品でした。

横溝正史賞を受賞した作品だというから最初から期待していた。

審査員が満場一致で決定したというから、
その期待は高まるばかりです。

本の帯には「神様のように慕われた元教師の通夜の席での出来事」とういうことです。

楽しい展開になりそうです。


典型的な「実は・・・でした」のストーリー仕立でした。

「しがない同心が実は必殺仕掛け人でした」とか、「部屋住みの浪人が実は将軍でした」とかいったTV番組がありましたね。

あの典的な設定です。           │

物語は、元教師と深く関わった7人が、それぞれに故人との思い出を想起するところから始まります。

それぞれの思い出が交差する時、過去に起こった様々な事件の真相が見えてます。

通夜の後のふるまいの席で、元教師で神様のように慕われていた男の本性が暴かれていくことになります。

6人の意見が「神様のような元教師は、実は極悪人でした」と満場一致で決まりかけた時、異議を唱えたのが気弱な一人の若者でした。

そこからは、真相と思われた過去の事件をひっくり返していく流れとなります。

陪審員達が意見を戦わせる「十二人の怒れる男」というアメリカ映画がありました。

そのリメイク版として「12人の優しい日本人」というのもありました。

密室で行われる物語なんで、三谷幸喜氏が演出したらきっと素晴らしい作品になることでしょう。



ハッピーエンドに終わると思った物語も、最後にも大どんでん返しが待っています。

さらなる「実は・・・でした」が待っているんです。

次の殺人事件を想像させそうなラストシーンというのも面白かったです。


読み始めから最後まで、一気呵成に読んでしまった作品でした。




posted by 田沼 at 06:39| Comment(0) | 読書のススメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月09日

継続捜査ゼミ 今野敏

【本の帯】

元ノンキャリ刑事の大学教授と少数精鋭のイマドキ女子大生が挑むのは、継続捜査案件、つまり「未解決事件(コールドケース)」。

キャンパスで起こる様々な事件は、やがて、ある大事件に結びつき……。

史上もっとも美しい捜査チーム誕生! かつてない新感覚・警察小説!!

【読後後記】

警察で迷宮入りした事件を、大学のゼミの演習として捜査する。

こんなとんでもない発想の物語です。

本物の刑事さんが読んだら、頭から湯気を出して怒るんじゃあないでしょうか。


ゼミを主催するのは、元刑事で警察学校の校長も務めたことのある教授。

研究室で5人の女子大生を相手に推理します。

迷宮事件を特命捜査する刑事がオブザーバーとして登場します。

守秘義務も何もあったものではありません。


迷宮入りした事件の目撃者や遺族、捜査に当たった刑事などにゼミ生が質問して、当時の状況を明らかにしていきます。

大学構内で起きた小さな事件を解決しながら、オムニバス形式で一つの難事件を推理していくというストーリー仕立てになっています。


今野敏にしては、珍しくミーハーな作品と言えそうです。

・・が、途中で投げ出さずに最後まで読んだんですから、作者の筆力には頭が下がります。

新幹線に乗って、博多から東京まで行く間にでも読んでみることをおすすめします。





posted by 田沼 at 17:35| Comment(0) | 読書のススメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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